14.玖珠 サイクリング&ドライブ

2007/10/06・07


ようやく秋めいて涼しくなってきた。部屋のインテリアになりつつある自転車も、そろそろ乗ってやらんといかん。それでは秋を探しにちょいと出かけてみますか。

車に自転車積み込んで、やって来たのは大分県の玖珠町。早朝からの見事な快晴っぷり。明日から崩れるらしいので、今日はたっぷり遊んでおこうと思う。

さて、サイクリングは後回しにして最初に向かったのは、貴重な産業遺産である豊後森機関庫。不気味な廃墟と化しているが、九州では唯一つ残っている蒸気機関車の車庫なのだ。赤く錆た機関車の方向を変えるためのターンテーブルが、扇形の建物の中央に設置してある。黄色の稲穂たなびく田園の中を、煙を黒髪のようになびかせて走るSLの姿は、最高に絵になる光景であったに違いない。
次に「清水爆園」という場所へと行ってみた。が、台風により遊歩道が崩れたらしく立ち入り禁止になっていた。森の中から溢れる清水を見たかったが仕方ない。

続いて行ってみたのは「内匠の景」という場所。静かな池の畔に面した山肌には、奇妙な岩がニョキニョキと突き出ている。この辺り一帯はこうした奇岩が織り成す独特の景勝地がたくさんある。引き続き幾つか巡ってみることにする。
次に向かったのは「鶴ヶ原の景」。駐車場からテケテケ遊歩道を歩いて行く。この間がとてもすがすがしく気持ちよい。
これまた美しい池が出現。そよふく風を感じながら、しばし水辺の畔に座って景色を楽しんだ。
小さな矢印型の看板を見つけたが、文字が完全に消えていて何が書かれているかわからない。矢印が指す林の中に入ってゆくと、大きな岩があった。その岩にも文字が消えた矢印看板がある。何のための看板だろうか。

一見普通の大岩だが、表面を観察すると小さな石仏が彫られていた。いつ頃に誰が彫ったものだろうか。
この気持ちよい景色の中では歩く速度も自然にゆっくりとなる。だからいろんな物を見つける。そのうちの一つが、この「ホタルブクロ(蛍袋) 」。釣鐘のようで、ユーモラスでなんとも可愛い花だ。
本日見てきた美しい岩の景観としては、最も広範囲に見渡せたのは「立羽田の景」であった。自然美と里の組み合わせが、とても印象的な風景だ。谷に反射しエコーがかかった牛の鳴き声が、のどかな雰囲気をいっそう盛り上げる。玖珠は本当に絵になる風景がとても多くて退屈しない。
お米の収穫シーズンなので、各所でワラを重ねて干している光景が見られた。中には「わらこづみ」という昔ながらのやり方で積んでいる田んぼもいくつかあった。そういう田んぼの近くには、味わいのある古民家が大体あったりする。普段接することのない昔ながらの生活感からは、なんとも言えない暖かい雰囲気が伝わってきて、とても落ち着いた気持ちになれるものだ。変える必要がないから変わらない物を見て、たまには時を忘れてもいいかなと思ってみた。
さてやっとここで自転車を乗ることにした。空が曇ってきてしまったが、玖珠川を横目に見ながら、涼しい秋風を浴びて爽快に走る。河川敷には初秋の景色に彩を添えるコスモスと彼岸花が咲き揃っていた。そして走る間ずっと目に入るのは、玖珠の町を見守るようにそびえる伐株(きりかぶ)山。親近感を感じずにいられない不思議な形状がとても気に入った。
国道210号線沿いに小さな滝が見えた。三日月の滝という名の小さな滝で、近くのキャンプ場は家族連れでとても賑わっていた。玖珠は民話の多い土地で、この三日月の滝には少しせつない民話が語り継がれている。

三日月の滝の民話 

水量の多いときにはU字型の岩の縁にそって、真っ白い三日月が出現するのだろう。
いい汗かいたので、ひとっ風呂浴びることにする。国道沿いに野田温泉という看板を見つけたので、立ち寄ってみた。大浴場があるのではなく、たくさんの種類の風呂から選ぶという。全て家族風呂ということか。一人で入るのはもったいとも思ったが、逆に一人で湯船を独占してのんびりするのも悪くなさそうなので、ヒノキの風呂を選んでみた。
受け付けてもらったコインをセットすると、湯船にお湯が満タンになるまでそれ程時間はかからなかった。お湯はちょい熱めだったので、窓を開け放ち涼しい風でクールダウンしながら、湯に何度も浸かった。いつまででもくつろいでいられそうだが、日も落ちかけてきたので、後ろ髪ひかれつつ温泉を後にした。
本日はソロキャンプ。晩飯の食材を買出しにスーパーに立ち寄ったが、毎度のことながら加減がわからずに、とても食べきれない量を買い込んでしまった。
そしてなんとか日没直前に、ベースキャンプをセッティングできた。今からたっぷりある時間をだらだら過すもよし。さっさと寝るもよし。自分勝手に時間を使い放題だ。
結局降ってきそうな満天の星空を眺めて、焼酎のお湯割で温まりつつ、音楽を楽しんだ。
そして翌朝は、伐株山の山頂から朝焼けに染まる山々を眺めた。残念ながらオレンジ色の空は、やがてグレーの雲の色に染まってしまった。短時間だっただけに、美しい色彩を写真に収めることが出来て幸運であった。
さて風来坊のようにふらふら一人で出かけることが好きな私。何となく次に行く場所は決めているので、出かけた際にはまた報告させていただきます。





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