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山歩き 平尾台・貫山


2003年10月26日



珍しく山へ

やる気満々のヤスヒコ氏
普段はあまり山には興味を示さない私ですが、久しぶりに行ってみようかと思い立ったのは、水辺の私と正反対に山にどっぷりはまった、友人のU氏からの誘いによるものでした。実はU氏と私、そしてシマダヤスヒコ氏の3人は、古くからの仲間なのです。そのヤスヒコ氏も一緒に行くことになったので、面白い道中を期待して重い腰を上げたという訳です。

今回、我々の目的地は北九州の平尾台。そしてそこから尾根伝いに続く貫山です。私同様ヤスヒコ氏も山歩きは久しぶりなので、U氏の配慮によって比較的優しい山を選択してもらいました。平尾台は北九州の都心部からとても近いのに、雄大なカルスト大地を眺められるとても珍しい場所なんですよね。数日前から待ち遠しい気持ちが最高に高まったところで当日を迎えました。





いよいよ平尾台へGO

空に向かって続く道
26日早朝、ヤスヒコ氏宅前に集まった3人。10代の頃から馴染みである悪友同士の3人では、揉め事を勃発させた場合に収拾が付かなくなる恐れがあります。しかし今回は紅一点、登山のベテランのTさんが同行するので安心です。いざという時には火消し役になってくれるでしょう。途中でTさんと合流し、全員集合したところでいざ北九州へと向かうのでした。

福岡から北九州方面へと向かう車での道中は、予想通り道順についてあーだこーだと言い合う有様。いい年してもこういう光景は昔から変りません。それでも何とか平尾台の駐車場に到着しました。
車から降りて、思いっきり澄んだ空気を吸い込むと、力がみるみる湧いて来るような気がします。登山道を見上げると、やはりシーズンなんですね。結構多くの方たちが登って行く姿が見えます。準備が整った所で、我々も山に向かって出発です。




山火事だ!

平尾台の秋の風物詩
カルスト大地として有名な平尾台。登り始めて早々に地表にむき出しの石灰岩がお目見えしました。ここは約2億年〜3億年前に暖かい海の底だったのです。私にとってはある意味で水辺に縁がある場所なんですね。などと強引なこじつけながらも、そう思うだけで心が安らいでしまうのは私ぐらいなもんでしょう。太古の水辺よりパワーをもらい、軽い足取りで登ってゆくと、先の方で煙が上がっているのがみえました。こんな場所で焚き火なんて、山火事になったらどうすんだ?

しかし徐々に近づくにつれ、その正体が明確になりました。それは丁度この時期、平尾台で毎年行われている野焼きの光景でした。道を挟んだ両側の草原は、焼かれて黒く色が変っています。前を歩くシマダ氏の姿が白い煙の中にかすみ、まるで焼けた炭の上を歩く火渡り修行の山伏のようでした。少々煙たいものの山はビギナーの私としては、こういう場面に出くわすことなんて滅多にないことですので、とても新鮮で貴重な体験に思えました。




自然観察をするとまた楽し

ひっそり咲いてたリンドウの花
ところで山歩きは眼下に広がる風景を見渡すのも楽しみの一つですが、足元の草花や昆虫にも気をとめて見るのもまた楽しいもんです。狭い道で立ち止まるのは顰蹙ですが、他の人に迷惑のかからない場所であれば、休憩がてらにちょっと立ち止まって観察してると面白い発見があるかもしれませんよ。私は植物に関しては全く詳しくないので、小さいけれど初めて見るような草花がこそっと枯草の間から顔を出しているのを見つけると、ちょっとした発見をした気分になりました。さらに、見事に植物に擬態したバッタやナナフシなどの昆虫も見つけました。彼らの姿は歩きながらではまず見つけるのは難しいですよね。しかし、この好奇心が後で失敗をもたらすことになるのであります。こういう失敗例を紹介するのもまた一つの情報になりますから、恥を偲んでご報告しましょう。でもそれはまた後程に。




頂上に到着

遠くにかすむは北九州新空港
皆で会話を挟みつつ登る内に、いつの間にか頂上が見えてきました。青さが眩しい最高の秋の空に向かって、一歩一歩と近づいていくような気がします。約2時間ほどで貫山山頂に到着しました。この瞬間に疲労が心地よさに変るんですよね。

腰をおろして昼飯を広げながら、眺める先には新北九州空港が洋上にぽっかりと浮かんでいました。その手前には曽根干潟が姿をのぞかせていました。この干潟にはカブトガニを初めとする、貴重で豊かな生態系が存在しています。まだ新空港の姿が無い頃に何度か足を運んで観察した場所なので、とても懐かしい気持ちになりました。しかし、思いがけない所から見た風景により、干潟と空港がものすごく近い場所にある事を実感しました。今後、この干潟の生態系の変化に影響が少ないと良いのですが・・・・・






寄り道して鍾乳洞へ

何もないとわかっていても、探究心旺盛なヤスヒコ氏は
穴の奥に首を突っ込まずにはいられないのであった
のんびりと休息を取ったところで、山を下ることにしましょう。帰りは途中からルートを変えて、目白洞という鍾乳洞に寄りました。受付所に入ると、受付のおじいさんがのんびりTVを見ています。そこは昭和40年代位から時間が止まってしまったのでは?という雰囲気が漂う場所でした。でも、その何ともいえないレトロな感じが実にいいのです。形成されるのに何億年もかかる鍾乳洞のように、この小屋のたたずまいはずっとこのまま変らないような気がしますね。

それでは目白洞の中に入ってみましょう。大小様々な鍾乳石が織り成す幻想的な空間。突然、別世界に迷いこんでしまったように思えます。白い石灰岩が露出した草原が平尾台の表の姿なら、この鍾乳洞は裏の姿です。地表に降った雨水が石灰岩を溶かし、すり鉢状のドリーネという窪んだ地形が出来ます。やがて雨水は地下へと流れ込み、川となって石灰岩を削り、鍾乳洞を形成していくのです。数億年もかかる表裏一体のダイナミックな自然の変化を、こうして簡単に見ることが出来るなんて、平尾台の素晴らしさをあらためて実感しました。 奥は行き止まりになっているので、帰りはUターンして出口へと向かいます。入ってきた時に気付かなかったのですが、ふと見ると古い看板に、来春観光予定(現在工事中)≠ニ書かれているのを見つけました。工事しているような感じもしないし、来春観光予定なんて本当かな?

その看板の状態から想像するに、何年も前からこの看板は設置されているように思えるのだが・・・ ま、いいか。きっと我々が生活の中で感じているのとは違う、”目白洞時間”というのがあるのでしょう。この場所はそれがよいのです。




地獄の一発

この直後に皆から顰蹙をかうことになったのだ
目白洞を出たら駐車場までは約2km。秋風に揺れるススキを眺めながらのんびり歩きました。すると突然道を横切る黒い生き物を発見! すかさず追跡すると、それはマイマイカブリという昆虫でした。その名の由来は、獲物であるカタツムリを食べる時の姿からついたと言われます。写真を撮りたいけどなかなか素早い。草の間に逃げ込む所を、なんとか素手で捕獲しました。片手に虫を持ちカメラを構えたその時です。「プシュッ」と霧状のものが見えたような気がしました。その直後、鼻をつく激臭が!それはなんと形容したらよいものか。まるでギンナンを腐らせたかのような、そんな最悪な臭いです。その霧状のものとは、危険を察知したマイマイカブリが放出した一撃でした。何でもかんでも素手で触ってはいかんという事を、身をもって知らされました。皆さんもくれぐれもお気をつけ下さい。


今回同行したU氏のホームページはこちら
(フライトシュミレーターから取得した、貫山
山頂からの画像があります。)
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ヤスヒコ氏のホームページはこちら
(「近所の秘境」に貫山レポートがあります)
Cafe64