見所たくさん 阿蘇の散策
2004年2月21日
澄んだ阿蘇の空を見に
この空気の美味さがたまりません
今や職場や家庭で一般的に利用されるようになったインターネット。私も御多分にもれず、パソコンの電源を入れない日はないほど生活にしっかりと浸透しております。
そのインターネットが導いた私のかけがえのない知り合いの一人に、当時高校生だったH君がいます。H君は現在熊本の大学に通っています。そして無事就職も決まり、春から東京へと羽ばたいて行くことになりました。そこで彼がまだ九州にいるうちに会っておきたいと思い、卒論作成などで忙しいところ無理を言って、阿蘇の自然散策に付き合ってもらいました。
おいしい水が湧き出る
続々と水を汲みに来る人がやってきます
車でH君を迎えに行き、最初に私のリクエストで湧き水を汲みに行きました。大地のフィルターを通してこんこんと湧き出る阿蘇の水の美味しさたるや、自宅の水道水なんぞと比較になりません。阿蘇で湧き水と言えば最も有名なのは白川水源でしょう。私も何度かそこで水を汲んだ事がありますが、水源は他にもあります。せっかくだから今までに行った事のない場所に行くことにしました。 地図を見ながら向かった先は、水源から流れ出る豊富な水をたたえた美しい池がある明神池名水公園です。水を汲む前に池のほとりを散策してみることにしました。ここには二つの池があり、小さい方は透明度が高く、ゆったり泳いでいるコイが宙に浮いている錯覚さえしてしまいそうです。
哀しみのカッパ伝説
せつない想いは届かぬまま・・・
大きい方の池に目をやると、池の真中に何やらモニュメントが設置してあります。よく見ると、それはカッパでありました。近くの看板を読むと、このカッパの像にはとても悲しい伝説が書いてあるのでした。その内容とは次のようなものです。
「この明神池には仲の良い男と女の河童がすんでいました。いたずらが激しい男の河童は神の怒りに触れ、遠くの池に追放されたのです。女の河童は池の中の石の上で、彼の帰りを待ちました。桜の咲く春 木の葉が舞い散る秋、木枯らしが吹き荒ぶ寒い冬になっても彼はついに帰ってこなかったのです。彼を待つその姿は悲しく哀れで、人々の涙を誘っておりましたがその姿も今はなく、石だけが昔のままポツンと残り、人々はその石を河童石と呼んでいました。」
なんともせつない話しじゃありませんか。私が見つけたモニュメントこそ、待ち人(待ちカッパ?)を想いつつ遠くを見つめる彼女の寂しげな姿でした。しかし考えてみると、各地にカッパの伝説は数あれど、女のカッパが主役の話しというのはあまりない気がします。なにげに立ち寄った場所での思わぬ発見でした。
看板にあったイラスト付の説明
大迫力!阿蘇の野焼き
山が燃える〜♪
続いてはH君の案内で、この時期だけ見ることが出来る行事を見ることにしました。阿蘇の荒々しい火山群を、青々とした広大な草原が取り囲んでいます。青空を見上げながらこの広い草原の中に立っているだけで、大自然の雄大さを全身で感じることができます。残念ながらまだ新緑の季節には早すぎるので、草原は薄茶色の地味な冬装束をまとっています。だからと言って、こんな時期の草原に何の魅力があるものか、と決め付けるのは早すぎです。この時期ならではの、勇壮な”野焼き”が見れるのですから。
野焼きは畜産農家の方々が中心となって昔から続けられてきた作業で、毎年実施されることで草原は維持されいるのです。しかし昨今では、畜産農家の減少や高齢化によって、野焼きの実施が困難になっているそうです。現在では市民ボランティアなどが野焼きの支援を行っています。
間近で野焼き見学
離れていても熱さが伝わる大変な作業です
実は阿蘇の野焼きを見るのは初めてです。作業をしている場所を探すのは、車で移動中も方々で煙が上がっているので簡単でした。現場に到着しましたが、我々が近づけるのは作業の人達の姿がかろうじて見える所まででした。それ以上の接近は危険でありますし、作業している人達の邪魔になります。それでも野焼きの迫力は充分見学できました。
さらに別の場所で上がっている煙を目指して移動をすると、今度は車道のすぐ脇の牧草地で作業が行われていました。おかげで先程よりはかなり近い距離から野焼きを見ることができました。枯れた草に火をつけると、バチバチ音を立てながら炎が瞬く間に広がっていきます。数十メートル離れた場所にいたのですが、すごい熱さを感じました。火の拡散を調節するために、作業の方達はホウキに似た道具で火を叩き消していました。危険を伴う大変な作業ですが、この方たちの懸命な作業があるからこそ、春にまた眩いほど青い草原の姿が見れるのです。
田んぼの中に古墳がいっぱい
近くで見ると結構大きいです
野焼きを後にして向かったのは、火を付けた松明を振り回す勇壮な祭り火振り神事で有名な阿蘇神社です。3月に行われるという火の国のイメージそのままの迫力ある祭りを、ぜひ今度見に行きたいと思います。
続いて中通古墳群を見にに行きました。近くの山から見渡すと、確かに古墳がぽつんぽつんと点在しているのがわかります。田んぼや道が、古墳を避けるようにつくられていたのが印象的でした。
謎の巨石群現る
いつ来ても謎に包まれたミステリーポイントです
ひとしきり阿蘇を堪能した我々は、今度は一路小国方面へと車を走らせます。今回の最終目的地として選んだ”押し戸の石”に行くためです。何度か足を運んだことのある場所ですが、行くたびに謎が深まるミステリーポイントなのであります。
その場所には周囲を広く見渡せる小高い岡の上に、こつ然と立ち並ぶ巨石群があるのです。最も大きな石は高さが約5m程も有り、ピラミッドの様な形で岡の頂点にどっしりと鎮座しています。そしてこのピラミッド石に従うように、大小の石が転々と規則的に並んでいます。しかも約4千年前のシュメール文字がペトログラフ(岩刻文字)として刻まれているそうです。神を崇める儀式が行われた場所と考えても不思議ではありません。
果たしてこの石群は、人為的に配置されたものでしょうか。それとも偶然このような形になったのでしょうか? その謎の真実は、太古の昔より静かにたたずんでいる石だけが知っているのでしょう。明神池名水公園で汲んだ水で沸かした、格別な味わいの紅茶で乾杯をしながら、遠い昔のロマンに思いを馳せてみるのもオツもんでした。