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冬の座間味の旅


2005年2月25日〜27日



二年前に人間ブローをやらかして、大顰蹙をかった座間味のホエールウォッチング。しかしそんなことでめげるような私ではない。クジラのスペシャリストである隊長から、「座間味に行くけど一緒に行くかい?」というお誘いに断る理由などなかった。
今回の座間味旅行は隊長のTV取材も兼ねており、某TV局のAさんも同行する。私とAさんは互いに鯨類との相性が悪いという嫌な共通点があり、北九州でのスナメリ観察では我々が来るとスナメリが身を潜めるという定説さえ出来上がった。今回も心配である。

座間味へは那覇の泊港から船で渡るが、時間がまだある。事前に隊長が調べた情報で、泊港近くの魚市場にて新鮮なマグロが格安で食べられるというので行ってみた。この「まぐろ食堂」では、何を頼んでもマグロの中落ちが一皿ついてくるという。三人ともヤキソバを頼んだ。すぐにご飯とマグロが出てきた。ふんわりと口の中でとろけるマグロを飯と一緒に頬張る。
しばらくしてヤキソバが出てきた。これ一人前? 皿大きいなぁ。でも味は悪くない。途中から一同ペースが落ちつつも、なんとか完食。 



座間味へ到着後すぐに腹すかしも兼ねて、自転車でクジラを観察できる稲崎展望台へ向かった。汗だくになりながらひたすら坂を上がる。

展望台に到着してぱっと開けた海を見た瞬間、いきなり海上に黒い物体が飛び出し、着水時に大きなしぶきをあげた。あまりにも唐突なクジラの出現に呆然としてしまい、カメラを構える余裕がなかった。



双眼鏡をかまえると、沖のほうに4頭ほどのクジラの背中が見えた。今回は多いぞ。
と、突然左の崖下からブロー(クジラが呼吸時にあげるしぶき)が上がった。こんなに陸に近い場所でクジラが見れるとは思わなかった。すごいぞー!




撮影 : 隊長

初っ端から好調な旅に大満足の帰り道。満ち足りた気分に浸りすぎて、油断を招いてしまった。長い下り坂を先頭をきって突っ走っていた私は、一人だけ道を間違えてしまった。下り終えて道の間違いに気付いたが、小さい島だから心配ないと余裕をかまして、なんとなく道を走っていた。しかしあたりはどんどん暗くなり、延々と続く坂にめちゃくちゃ心細くなってきた。そう私は方向音痴なのである。隊長に携帯電話で指示を受け、ようやく宿に戻ってこれた時はまじで嬉しかった。




夕食の後、ホエールウォッチング協会主催のナイトレクチャーに参加した。講義を受けている間、いいテンションで皆の笑いを誘っていた参加者の一人に興味津々となった。講義後にビールを飲みながらTさんというその人に話しかけてみた。大阪で傷ついた鳥を保護するボランティア活動をしているという。保護された鳥の写真を見せてくれた時に、すごく優しい目をしていた。

一夜明けた早朝に散歩へでかけた。風が強い。桟橋から覗き込むと、漂うハリセンボンぐらいしか生き物は見られなかった。沖はもっと波が高いのではなかろうか。嫌な予感がする。




朝食後に待機していたら、ホエールウォッチングツアーの中止連絡が入った。撮影の準備は万端であったのに、Aさんも隊長もがっかりしたに違いない。その後の連絡で、波の少ない海域にいるクジラを観察できるかもしれないという。一縷の望みをかける二人と別れて、私はビーチにてシュノーケリングをすることにした。海の中は思ったよりずっと暖かい。
30分もしないうちに雨が降り出した。風や波が出てきそうだ。物足りなかったが上がることにした。




海岸には丁度隊長達が来ていた。結局ホエールウォッチングが完全に中止になったらしい。雨がだんだん強くなってきたので、近くのキャンプ場のコテージの軒先を借りて雨宿りすることにした。激しさを増す風雨に、三人ともテンションが下がってきた。




そんな折に隊長が「泡盛」を取り出した。ナイス! こうなったらもう飲むしかない。野外で雨音を聞きながらの宴会もなかなかいいもんだ。

天候に左右されたものの、私個人としてはまったりして良い旅であった。座間味を離れる時にあのTさんが見送りに来てくれた。Tさんは今回初めて間近で見たクジラに感動し、この数ヵ月後にアラスカへ渡っている。そして雄大な自然をバックに舞うダイナミックなクジラの写真を送ってくれた。