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冬だから石垣島 その2


2006年2月3・4・5日


美味しいと評判のパン屋に行く。お店からは海が広く見渡せた。砂浜まで歩いて行くと、近づくにつれドドーンと衝撃音が聞こえてきた。音の発生源は砂浜を叩く巨大波。潜るための道具は一式持ってきているのだが、今回の旅では海には潜れそうにないな。




八重山ソバで腹ごしらえをして、名蔵川河口に広がるアンパルというマングローブの群生地帯にて生き物観察をする。ここはラムサール条約(特に水鳥の生息地保全を目的に定められた、国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されている。水鳥が多いということは、すなわちエサであるカニなどの小動物もたくさんいるわけだ。これら多くの生き物達は、拠り所にしている広大なマングローブ林の中で、絶妙な生態系のバランスを保っているのだ。




マングローブとは、海水と淡水が混じり合う場所に生育する植物の総称で、アンパルではヤエヤマヒルギ・オヒルギ・マヤプシキなどがよく見られる。これらの木のユニークな特徴は、なんといってもその根っこの形にあるといっても過言ではない。タコが立ち上がった姿を思わせるヤエヤマヒルギ。人が膝を立てて座った時の足のようなオヒルギの根(膝根「しっこん」と言う)。いずれも安定感の悪い湿地に適応するために見事な進化を果たした姿である。
木に近づくと、根っこの隙間をピョンピョン跳ねながら逃げる生き物がいる。地元ではトントンミーと愛らしく呼ばれる「ミナミトビハゼ」だ。




砂地に幾つもあいた穴を見つけた。何が住んでいるのだろうか。手で掘ってみた。肘ぐらいの所まで掘り進んだ所で、小さな固いものに指先が触れた。取り出してみると、紫色の小さなカニであった。ハマガニの仲間かな?




マングローブの林には変わった生き物が多く生息する。ただし今は冬なので、その多くは先ほど見つけたカニのように、砂の中などで息を潜めていてなかなか姿を見ることができない。例外的にあちこちに転がっていたのが、「キバウミニナ」という貝だ。拾い上げてみると、ほとんどはヤドカリの住処になっているが、何個かは貝が生きていた。彼らの好物はマングローブの落ち葉で、何匹も群がって食べている様子が見られた。




よちおが巨大な貝を拾ってきた。「シレナシジミ」という。普段我々がよく目にするシジミの数十倍の大きさである。
しかしこんな大きな貝を割って食べる生き物がいる。今回は見つけられなかったが、マングローブ林のどこかに潜んでいる「ノコギリガザミ」だ。貝を砕く巨大なハサミに挟まれれば、人間の指など簡単に切り落とされてしまうだろう。恐ろしや。