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冬だから石垣島 その3


2006年2月3・4・5日


アンパルを後にし、見晴らしの良いパンナ岳展望台へ向かう。残念なことに晴れたら素晴らしい最高の眺望は、分厚い雲に覆われてしまっていた。うーん、このまま今日は煮え切らない天気のまま終わってしまうのだろうか。まだまだ時間はあるので、ひとまず市街地に行くことにした。




街まで戻ってくると、いくらか天気回復してきたようだ。少なくとも雨は降りそうな気配がしない。そこでようやく自転車を車からおろす。
特に目的地やコースなど決めていないので、適当にブラブラ走りながら気になる店を見つけたら立ち寄ったりしながらのポタリング。石垣には何度も来ているが、こうして自転車で走ったのは初めてであった。見知ったつもりの街中も、初めて見る軒並みや風景が次々に新発見されてゆく。歩くよりちょっと早く、ちょっと広範囲に巡れるというだけでこんなに楽しみにが倍増されるとは。わざわざ持ってきて良かった。本当に良かった。




三線の優しい音色が聴こえてきた。「はて、どこから?」と音のする方へ歩いてゆくと、可愛いい女の子が一生懸命に三線を練習していた。「写真撮らせてもらってもいい?」と尋ねてみると、はにかみ笑顔でうなずいた。難しそうに弦を押さえる小さな手が、やがてしなやかに島の唄を奏でる時が来るのであろう。




商店街で買い物をしたら皆で海を見に行く。港のすぐそばに、広ーく海を見渡せる場所発見。車も船も来ないのですごく静かだ。ここでもどこからか、三線を奏でる音が聴こえてくるのであった。それが沖縄。
穏やかで浅い海を見下ろすと、綺麗な魚が群れていた。潜りたいな、なんて思っていたらロッキー店長が服のままいきなりザブンと飛び込んだ。すげー。ワイルドやなー。
私も泳ぎたかったが、この様子なら明日はキャンプサイト前の海でも潜れるかも。楽しみはそれまでとっておこう。




一夜明けて今日は石垣島の最終日。テントやらキャンプ道具を急いで片付ける。なんで急ぐかというと、とにかく残り時間に少しでも海に入りたいからである。バッタバッタと準備を済ましたら、砂浜までダッシュ! そして海に突入。ひゃー冷てぇ。これは短時間勝負だ。

面白い生き物を探して、顔を下に向けつつ泳いでいたその時である。ふと何かの気配を感じて顔を正面に向けた。すると目と鼻の先にすごくでかい「顔」があった。心臓が飛び出しそうになった。あまりに唐突に出現したそいつが何か瞬間的にわからなかったが、両目がまっすぐこちらを見ているので顔だと認識できた。ゆっくり後に泳いでそいつとの間隔をとると、50cmはあるコブシメという巨大なイカであることがわかった。
のんびり休んでいたコブシメも、いきなり現れたカッパという怪しい生き物の登場ですごく驚いたのであろう。それまで周囲の岩場に擬態していた体の色が、みるみるうちに真っ白に変化してゆく。そしてミサイルのようなジェット噴射で、沖の方にあっという間に消えていった。
泳いでいるコブシメを見たのは初めてである。ほんの十数秒の出来事であったが、冬でもスノーケリング道具を持ってきて良かったと感じたのであった。