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熊本石橋巡り その2


2006年5月4日


谷にはばまれ水不足に悩む土地に、水を供給するための役割を担っていた通潤橋。放水は元々は水路に溜まったゴミを落とすために行っていたそうだが、今では観光の目玉として定期的に行われている。

通潤橋に上がり(手すりなどないので少し怖い)その時を待つ。やがて係りの人が来て木の栓を木槌で叩いてはずす。まるで命を得たように、水が勢いよく弧を描いて谷川へと飛び出してゆく。


栓を外して放水開始  動画(約1.6MB)




橋巡りもいよいよ後半に入る。続いて石橋ではないのだが、渓谷の眺望が美しい近代的な「鮎の瀬大橋」に到着。古い石橋も現代の橋も、各時代の技巧人達が叡智をそそいで造った先進技術のシンボルである。
橋を渡りきったところでビックリ。松橋方面への道が通行止めになっていたのだ。やむなく来た道を戻り、迂廻することになった。




緑川渓谷にかかる「内大臣橋(ないだいじんきょう)。アーチ型の橋としては最も大きいということだが、先の鮎の瀬大橋の巨大さに比べるとさすがにサイズ的にはインパクトが弱い。アーチ型のデザインは、石橋の町を意識してのことであろうか。秋は紅葉に染まる緑仙峡を楽しむことができそうだ。




橋の左右にある石組部分がすごくゴツイので、どっしりとした重量感がある「霊台橋(れいたいきょう)」。この石組は増水した川の流れに耐えうるように設計されたという。

橋の上から緑川の流れを見下ろすと、水中に怪しい移動物体が。浮上してきたそれはニシキゴイ。それも何匹も。自然の景観にそぐわないカラフルさにガックリ。




私が最も気に入った「大窪(おおくぼ)橋」。傾き始めた日差しに映える優美さは格別である。通潤橋や霊台橋を手掛けた名匠「橋本勘五郎」の技がキラリと光っている。橋の周囲に植えられていたのは桜の木であった。桜吹雪がまたこの橋には絶妙にマッチするに違いない。




218号線を東にゆくと、「馬門(まかど)橋」と書かれた看板がある。そこから小道を下ってゆくと、鬱蒼とした木々に囲まれた橋があった。ひんやりとした湿気を帯びた空気に包まれて、コケをまとった味わいのある橋はひっそりたたずんでいた。




馬門橋から少し先に「年祢(としね)橋」がある。しかし橋の上は渡れるものの、全体を撮影する場所がない。仕方がなく次の二俣橋へと向かうと、なんとそこから年祢橋を見上げることができた。4連アーチでこの高さはすごい。西洋っぽい気品を感じる橋である。




緑川の支流である釈迦院川と津留川の合流地点にかかるL字型の「二俣(ふたまた)橋」。これまた今までとは一味違った形をしている。
ということで丸一日かかった橋巡りは、これにて締めくくりとなった。

ごく自然に風景に溶け込みつつも、まるでアピールするかのように個性的な姿をしている石橋。人や物、情報など様々な物が橋を渡っていった。橋が暮らしの中にもたらした恩恵は、はかりしれないと思う。
補修され現役で使われる橋もあるが、引退して文化財として守られる橋もある。いずれにせよとても大切にされていることに他ならない。どの橋にも文化や歴史を未来へ伝える架け橋という新たな役割があるのだ。