桜日和に石橋巡り


2007年3月31日


今週末は休日にタイミングを合わせたかのように、各地で桜が満開だ。この日はかねてから石橋巡りを計画していたので、桜と石橋の両方を一度に楽しめそうだ。

まずは桜の季節に訪れたいと思っていた大窪橋に、約一年ぶりに足を運ぶ。枝の先までたわわに咲き乱れる桜の花と、深い味わいのある年代物の石橋とは実にナイスなコラボレーション。これはまじで綺麗だ。やはり大窪橋は最高!




続いて八代市方面へ移動する途中で、氷川ダムに立ち寄る。ここでも桜が満開だ。時折吹く風に揺さぶられ、静かな水面に花びらが雪のように舞う。
ダム湖をぐるっと巡っていると、中央から突然水しぶきが高々と上がった。一部のダムでは植物プランクトン増殖抑制のために、噴水を行っている。それによる水質浄化作用の効果の程はよくわからないが、絵の様に静かな風景に変化をもたらす効果は絶大であった。




次の目的地は東陽町にある「石匠館」という石橋の博物館。静かな館内にて石橋についてのムービーを見ていたら、館長さんらしき人が登場。詳しい解説をしていただいた。石橋はそのたたずまいが好きなだけで、詳しい構造や歴史をあまり知らなかったので、とてもありがたかった。




石匠館の目の前には石工の中で特に名声を博した橋本勘五郎の生家があった。先の大窪橋や、有名な通潤橋も勘五郎ら東陽町(旧東陽村)の石工達の手によるものである。




石匠館を出てすぐ、道路脇に小ぶりな石橋を見つけた。桜並木に目が行かなければ、気付かず通過したかもしれない。橋の下を流れる水路は、町の中心部に向かって続いていた。風に揺れる桜の花の間から透かして見える青空が美しい。しかし青空を拝めたのは、これが最後となるのだが。




遅い昼飯を食べた後八代城跡の外周をぐるっと巡り、「旧郡築新地甲号樋門」へと向かった。明治時代に築造されたとは思えないほど、堅牢そうな石造アーチ式10連樋門は、現存する石造樋門の中で国内最大級という。




「旧郡築新地甲号樋門」の近くには昭和期に造られた「郡築二番町樋門」がある。広く農地の面積を広げた八代平野の干拓地を、潮から力強く守りつつ、排水の役目も果たしてきた二つの樋門。いずれもあまりにもひっそりと水辺にたたずんでいたので、見過ごしてしまいそうになった。しかし近くで見ると、存在感は決して失われてはいなかった。石橋にも共通であるが、無機質なコンクリート造りと違って、温かみのある石組み造りの建造物からは、当時の人の情熱が波動となって、今でも心に伝わってくるように思える。




灰色の分厚い雲が徐々に広がってきた。天気予報通り、そろそろ雨が降ってきそうだ。最後に立ち寄ることにしているのは、桜の名所である立岡自然公園。その前にちょっと寄り道して「猫の迫溜池(ねこのさこためいけ)」という変わった名前の池に立ち寄った。
池は外周を森林に囲まれているので、道路や住宅地からの喧騒が遮蔽されてとても静かであった。
池に近づくと枯れ木から小さな鳥が飛び立って、数メートル先の木に移った。木の幹につかまってチョンチョン登ってゆく。コゲラという小型のキツツキだ。もしかしたらと、飛び立った枯れ木をみたら、案の定まんまるな巣穴が空いていた。




夕方18時頃に到着した立岡自然公園は、びっしりと桜が乱舞していた。天気が良かった昼間は、花見を楽しむ人たちでさぞや賑わったに違いない。写真を撮りながら散策していたら、ポツポツと雨粒が落ちてきた。もう少し写真を撮りたかったが、やむを得ず車に戻って出発した。5分程したころ、突然滝のように豪雨が降り出した。まさに間一髪。