GWは石垣島でスノーケリング その3


2007年4月30日



「うおぉぉぉー!!!」って言いながら、両手をあげて背筋を伸ばす。沖縄の旅において、翌日まで酒が残ったことないんじゃないかな。最高にいい気分の朝だ。今日は一日天気が良くなりそうなので、黒島で素潜ってみよう。干してるウェットスーツを車に放り込んで出発だ。




八重山各島への玄関口である離島桟橋に着いた。リニューアルされて、巨大な搭乗待合センター的なものができたとは聞いていたが、本当にすごくでかかった。まるでちょっとした空港のようだ。いやいやびっくり。しかしこんな大規模に建てる意味あるだろうか。待合室から出ると、今までとたいして変わらない桟橋の姿があり、島の人々や観光客を乗せた船が行きかっていた。




レンタサイクルに乗って、牧場の中を突っ切る道をゆく。黒島の解放的なイメージはこのノッペリと広がる牧場のおかげだ。空がとても広く感じる。
目指す仲本海岸に到着。アウトリーフはえらく波が立っている。こりゃインリーフで遊ぶ方が無難かな。とにかく行くべしと、水中ハウンジングを装着したデジカメの電源を入れる。ピピピという音と共に、「バッテリーを充電して下さい」の表示が。げっ!入れ替えてくるの忘れてた。(−−;)

せっかく来たのに、水中の写真が撮れないなんて。仕方なく手ぶらで潜ることにする。いつもは片手に必ずデジカメを持っていたが、両手が使えると泳ぐのがこんなに快適だったとは。両手・両足をフルに使って、自由自在に水中を泳ぎまくる。




一匹のテンクロスジギンポがツツツーっと泳ぎながらムラサメモンガラの後を追う。これは何かありそうな予感。すると突然テンクロがムラサメのお腹をパックっとかじった。驚いたムラサメは素早く振り返り、猛然とテンクロを追いかけだした。必死のテンクロはギリギリのところで、サンゴの隙間に逃げ込んだ。テンクロが外の魚をかじるのは本当だったんだ。面白かった。こんな時にデジカメがないなんて・・・
ふと思った。もしここで、とんでもないヤツが現れたらどうしよう。リーフに取り残されたマンタがいたら、いやもしシーラカンスがいたら、いやクジラが・・・
積み重なる妄想は、ストレスの渦となり気力を奪ってゆく。千載一遇のシャッターチャンスが訪れても、今の私には水中でジタバタしながら悔しがることしかできないからだ。

それならいっそシャッターチャンスに出会わない方がましだ。絶対に。思ったら即行動。キョロキョロよそ見せず、浜に向かってまっしぐら。潜っていたのは正味40分かな。次の石垣島行きの船で、さっさと黒島を後にするのであった。




キャンプ場に戻ってきた。もう15時。なんかすごく無駄な時間を過ごしたような気がする。デジカメのバッテリーを交換して、キャンプ場前の海で潜りなおしだ。今日の海は風も波も全くなし。海面なんて鏡みたいに雲がうつってる。潮も満ちてきているし、これはいけるんじゃない? リーフエッジのその先へ!




浜辺から数十メートル先にある、分厚い防護壁のようなリーフエッジの上を泳ぎ進むと、突然断崖絶壁のように深い谷が現れた。さらに先は大海原だ。陽光の輝きは海底まで届いていない。果たしてどれ程の深さなのであろうか。試しに10メートル程まで潜ってみる。それでも底が見えない。体の力を抜いて自然に浮いてゆくままに身を任せる。
足の下には暗い闇の世界。浮いてるつもりだが、実は沈んでいるのかも。水中を宇宙空間に例える人がいるが、まさにそんな気分。上を見上げれば、オーロラの輝きのように揺らめく光の帯が差し込まれているので、やっぱり海の中なんだと我に返る。




何回目かの潜水時に、海の底から大きな魚がゆっくり浮上してきた。これはこれは皇帝閣下。まだ若いナポレオンフィッシュ(メガネモチノウオ)が、クリクリ動く目でこちらの様子をうかがっている。私にとっても海の中での出会いは初めてであった。写真を撮らねば! ゆっくりカメラを構えると、あうっ!少し逃げそうな気配。しかし慌てちゃいけない。
などといってるそばから、全然違う空間に向かってパシャ! やばい、慌てるなって言ってるのに。
撮影可能状態になるまでのタイムラグが、非常にもどかしい。今度こそ。パシャ!
あ〜 手ブレしてるし。 次こそは・・・しかしナポレオン皇帝は、優雅な泳ぎで深い深い海の底へ泳ぎ去ってしまった。




ほの暗い海の中で、飛びぬけた派手さで目立っていたのはニシキヤッコ。ドロップオフの岩礁壁の隙間を出たり入ったりしていた。




動きが鈍そうな、コクテンフグがサンゴの隙間に隠れたのを見逃さなかった。中を覗くと、いたずらを見つけられた子供のように、気まずそうにじっとしてこちらを見ていた。写真を撮り終え立ち去りつつ振り返ると、慌てて飛び出し逃げてゆく。やはり何かうしろめたいことがあったんじゃないかな。




インリーフに戻る。冷たいアウトリーフとの温度差はどの位だろうか。体感的には温水プールよりは、ちょっとぬる目のお風呂に入ったほどに差を感じた。暖かくて気持ちいいのなんの。 ゆた〜っと浮かんでいると、目の前をサザナミヤッコこれまたゆっくり横切っていった。写真を撮って欲しいのか、どっかに行ったかと思えば、また戻ってきたり。ちゃんと撮ってあげたいのだが、温水で水はゆらゆらかすんで、なかなかうまく撮れなかった。でもどうでもいい。こっちは温泉気分を楽しんでるのだ。あっちいってくれ。




たっぷり遊んで満ち足りた気分でキャンプ場に戻るとOさんに会った。偶然なのだがOさんも福岡からの旅行者。しかも家も結構近くなのである。昨日に続き、今宵も一緒に泡盛飲みつつ談笑に花が咲いた。

夜もふけた頃から風と雨が激しくなる。雷も轟き、滝のような雨にテントが潰されるかと思った。実際には被害はなかったが、あまり寝れなかった。朝が来ても雨は延々と降り続いていた。本当はまたどこかの離島に行こうかと思っていたが、一日中こんな天気みたいなので、予定を切り上げて福岡に帰ることにした。竹富島に渡るというOさんとは、再会を約束してここでお別れ。

福岡に戻ってもGWはまだ後半が残っている。どういう過ごし方をしようとも、連休明けは毎度のように仕事になりそうもない。