レトロと水辺と石橋と その2


2007年8月4日




うろうろ寄り道しながら、やっと今回メインの「豊後高田 昭和ロマン蔵」に到着。去年の4月に来たのだが、その時は博物館の開館時間内に間に合わなかったのだった(「たまには自転車とか 12.大分 姫島・耶馬」参照)。

ここは昔、米蔵として使われていた倉庫に手を加えて、昭和の思い出を封じ込めた蔵としてリニューアルさせたものだ。倉庫は3つの展示館に分かれている。まずは「駄菓子屋の夢博物館」に入る。駄菓子だけでなく、時代を忍ばせる懐かしいあらゆるオモチャが展示されていた。展示のアイテム数は実に多く、私も当時遊んだ憶えのあるオモチャに何十年ぶりかに再会することができた。




次は「昭和の絵本美術館」。笠地蔵とか花咲爺さんや舌切り雀など、子供の時に馴染んだ絵本の数々が展示されている。それらのストーリーは、不思議と今でも記憶にしっかり残っている。せいぜい6歳位までに見ていた絵本なのに、よくもこれだけはっきり憶えているものだ。最近では数分前のことすら忘れてしまうというのに。子供は吸収する能力がすごいから、良い情報を与えてあげることは大切なことだな。

最後に入った「昭和の夢町三丁目館」は、なかなか凝ってて楽しかった。館内は昭和の暮らしを再現した原寸大ジオラマがあり、直接触れることができる。茶の間があったりして、もちろん上がってみてもよいのだ。台所では夕食のおかずのカレイ(大分は城下カレイが名物)が今まさにさばかれようとしている。こんな風な流し台は、改装前の祖母の家にあった気がする。小さなタイルを貼り付けた装飾が、当時の水場の標準的なデザインだったと思う。




商店街を歩くと実際に営業している店が、どれも昔ながらの建物の雰囲気を残している。というよりあえてそうしているのだが。それも中途半端にではなく、徹底的にやってるのがすごい。どこにでもあるコンビニが、もしこの商店街の中にあったら、その違和感たるやはかりしれない。
例えば写真にある電気屋のショーウインドウ。久しぶりにベータマックスの巨大ビデオデッキを見た。この店はジオラマではない。




空き地にはお約束の土管が3本。芸が細かすぎる。
実際に子供の時に空き地で3本の土管は見た記憶ないのだが、空き地と言えばやはり土管3本が思い浮かぶ。ドラエモンでジャイアンリサイタルが開かれたのも、土管3本がある空き地だった。




うだるような暑さ。無意識に空を見上げると、渋い看板の向こうに入道雲がモクモクと膨らんでいた。なんとなく小学生の頃に見上げた空の光景に良く似ている。一瞬あの頃にタイムスリップしてしまった。目を閉じると、麦藁帽子にランニングシャツ姿の自分が、虫網を持って走って行く姿が見えた。




先ほどの看板のアイスキャンデーという文字に、強力に引き寄せられてしまった。100円の手作りアイスキャンデー。棒が斜めになってるのがおわかりだろうか。とても素朴な味わいで、甘さは超控えめ。多分当時と製法は全く変わっていないのだろう。今時の子供には物足りないだろうが、甘いのが苦手な私には文句なしであった。カチンカチンに凍って固いアイスをガリガリかじりつつ何気なく時計を見ると、そろそろ潮が引く時間だった。まだまだ昭和の町には見所が残っているが、また次回の楽しみに取っておこう。




再び干潟に到着。日中の暑さも落ち着いたので、爽やかな気分で生き物観察を開始する。しゃがみこんで水が溜まった砂地に目を凝らすと、じわじわと砂が動いている。手で掬って水をかけたら、カブトガニの子供が現れた。ひっくり返してみたら、小さな二枚貝をつかんでいた。お食事中でしたか。こりゃまた失礼いたしました。
夕暮れになり、私もぼちぼちお腹がへってきた。キンキンに冷えたビールが飲みたい!!! と思ったので、今日は帰るのやめた。