2007年 馬渡島アタックツアー その2


2007年8月12日




民宿の車を借りて、島の名所を巡る。まずは緑の中にまばゆい純白の姿を披露した教会が我々を出迎えた。昭和初期の数少ないイタリア様式の木造建造物として、たいへん貴重なのだそうだ。敬虔な信者でなくとも、心が浄化されてゆくような、心地よい安らぎを感じる空間がここにあった。




島一番の展望場所である番所の辻では、ぐるっと360度のパノラマで景色が眺められる。この時期にしては空気の澄み具合が半端なくすごい。写真で水平線に映っている陸地は壱岐の本島である。その向こうには対馬も確認できた。東に目を向けると、糸島や背振の山々だけでなく、北九州の山まで見ることができた。本当に今回は天候に恵まれてラッキーだ。




西側の海は南からの風によって荒れ気味だったで、風裏の入り江にて潜って遊ぶことにした。馬渡島は磯釣りをする人にはポピュラーな島で、釣場は島の周囲いたるところにある。潜ったこの場所も、ご覧の通り大きなクロダイがうようよしていた。




島には一軒、鏝絵(こてえ)が装飾されたお屋敷(蔵?)がある。鏝絵とは左官職人が着色された漆喰を用いてコテで仕上げることから名がつき、富の象徴として江戸時代から盛んに作られていた。戦後は衰退の一途をたどり、現存する鏝絵は全国的にも少ない。文化財的としてとても貴重だと思うのだが、鷲も虎も色は褪せてしまっている(左の拡大写真は私がレタッチソフトで色を補正している)。




午後は昨日遊んだ波止場にまたやってきた。なぜか一番潮の流れの悪そうなこの場所が、どこよりも水が澄んでいる。
水中の岩場では、イシヨウジを見つけることができた。お腹を中心に写真を撮ったのだが、膨らんでいる様子がわかるだろうか。卵を抱えているのだが、実はこれはオスの役目なのである。メスからお腹の育児嚢に卵を生みつけられた後、オスは孵化まで大事に守る。同じ仲間のタツノオトシゴやカミソリウオなども、このような魚にしては珍しい託卵を行う。

写真には写っていないが、実はメスも近くにいるのだ。彼ら夫婦の絆はとても深く、一度ペアになったらずっと離れず、翌年も同じペアで交尾を行う。何かの理由で離れ離れにならない限り、浮気することはほとんどないという研究報告もあるそうだ。




消波ブロックの裏側に張り付いていたヒメギンポ。オレンジ色の斑模様が綺麗なのでしっかりと写真を撮りたかったのだが、薄暗い隙間から出てこなくて撮影がとても難しかった(私も逆さまに近い格好で写真を撮っている)。




養殖生簀の浮きの下に、可愛いイシダイの子供がいた。この魚は好奇心がとても旺盛で、Tさんがこのように手を差し伸べると「何だろう?」とでも言ってるように、手の中に入ってくるのだ。その仕草はまるで子犬のよう。




群れで浮いているのはチャガラ。ハゼの仲間にしては色も綺麗で遊泳力もあるのだが、このおっとりした顔つきがあらわすように、ぼんやり泳いでいる。




こちらクダヤガラの群れはしっかりとした統率力で、きびきびと泳いでいた。チャガラのようにぼんやりしてくれると写真を撮る方としては有難いのだが、このクダヤガラはこちらをおちょくるように、一気に遠くに泳ぎ去ることはなく、近くをぐるんぐるんと逃げ回る。右かと思えば左に、かと思えば上に下にと、そのたびに私も水中でぐるんぐるんと泳ぎまくる。いい運動になったな。