坊津 シーカヤック&スノーケリング


2007年9月22・23日





(写真提供 : よちお)
鹿児島カヤックスのキャンプツアーに参加してきた。今回の旅先は鹿児島県南さつま市の坊津町。ここの海は今から5年前に遊びに行って以来なので、とても久しぶりである。
その時は坊津の中でも屈指のスノーケリングポイントという「網代浜」に瀬渡し船に乗って行った。次期が早かったので冷たかったが、とても美しい海の色は今でも目に焼きついている。

今回はシーカヤックに乗って、網代浜よりも奥にあるという、滅多に人が訪れることのないビーチへと向かう。鹿児島カヤックス野元団長(以下 団長)によると、網代浜より格段に綺麗らしい。期待が目の前の入道雲のように膨らんでゆく。
参加者は総勢11名。丸木浜海岸にて準備を整えて、シーカヤックで漕ぎ出す。ひとたび荒れると激しく断崖を打つ波も、今日は穏やかに我々を迎えてくれた。私は海での遊びはもっぱらスノーケリングなので、シーカヤックは実に久しぶりである。





(写真提供 : よちお)
切り立った岩に囲まれた入り江の奥に、目的地である小さなビーチはあった。正面には水平線、背後には断崖があり、絶海の孤島を彷彿とさせる完璧に外界から閉ざされたプライベート空間である。これこれー! 心に思い描いていた最高の遊び場所でないの。シーカヤックも悪くないねぇ。

団長特製のランチを照りつける日差しの下で、海にプカプカしながら頬張る。なんという贅沢なことだろう。行儀悪いと言うことなかれ。非日常を存分に味わえるのが、アウトドアの醍醐味だから。




昼食を終えたら素早く着替えて海の中へ。浜辺から泳ぎ進むにつれ、水がどんどん澄んでゆく。少し水温が下がるのが感じられた辺りから、サンゴの花畑が広がってきた。カラフルな南方系の魚は実に種類が多い。水面下の世界は、同じ地続きの福岡とは全く違う。陸の上で九州の北と南の変化を、これほど明確に感じることはできないだろう。海でしか味わえない風景を楽しみながら、夕方までたっぷり潜りまくった。




夕方からまったりと食事。まだまだ明るいうちから、ビールをゴクンゴクン飲んで砂浜に寝転んでみた。海から清涼感たっぷりの風が、首筋をサラサラと吹き抜けていく。汗をかいたようなビール缶の水滴が、傾きかけた夕日にキラリと光った。そしてまた一口ビールをゴクリと飲み込む。空の色に変化がなければ、時という概念を忘れてしまいそうだ。

団長が設置した古いテントの横で、焚き火がバチバチと音をたてて燃え盛っている。やおら熱せられた石がテントの中にスコップで運ばれる。テントの中央は石が置けるよう穴が開けられているのだ。これは人が寝るためのテントではない。一体何の儀式をやろうというのか。

6人程が中に入り、体操座りで待機する。入口が閉ざされたところで、「うりゃりゃりゃ〜!」と叫びながら団長が中央の石積みに水をぶっかけた。ジュー!!!という音と共に狭い空間に熱波が駆け巡る。飛び交う悲鳴が益々団長のテンションをあげ、さらに水が降りそそがれる。阿鼻叫喚の光景がピークに達した時に入口が開放され、全員海へとなだれ込む。今度は自分の体がジュー!!っと音を立てたように思えた。あまりの快感に奇声をあげながらはしゃぐ大人たち。もはやトランス状態。
そしてまた地獄から天国への変化を求め、自らテントヘ戻ってゆく。あまりの楽しさに儀式は何度も繰り返された。




翌日も朝から海に潜る。すると昨日よりもはるかに透明度が増していた。日差しのアプローチもあって、色彩豊かなサンゴはとてもまぶしく輝いている。スノーケラーにとっても、これほどのベストコンディションはなかなか出会えない。今日はツイてる。

「乗ってくかい」と言うロッキー氏のタンデム艇に座り、キビナゴの群れがいるという沖のポイントへ連れて行ってもらった。船の上からも水中にビッシリと大群が見える。飛び込むと、銀白色に輝いたキビナゴの群れに囲まれた。

深くまで差し込む光に気をよくして、思い切っていつもより深く潜ってみた。すると何か黒い大きな風呂敷みたいなのが泳いでいた。でっかいトビエイだ! 写真を撮りたかったが、どんどん距離を離されてゆく。いろいろな生き物がいて実に面白い。




昼食前に皆でシーカヤックツーリングに出発する。
坊津の海岸線はほとんどが断崖絶壁で、アートさながらのユーモラスな形をしている。まさに自然が作り出した奇跡のイリュージョン。ただその姿は陸上からは目にすることができない。そこでシーカヤック。こいつに乗れば、イリュージョンを間近で見る特権を得ることができるのだ。

出発直後から想像以上の景気に目を奪われる。そしてついつい写真を撮るものだから、どうしても遅れ気味。でもねぇ。絶景好きにはたまらんのですだよ。坊津の魅力にどんどん惹かれていく。




崖には細いトンネルが幾つもあった。団長が中の様子を見ては、首を振り次の場所へ。そしてあるトンネルを確認したところで「オッケ〜イ」と手招きをする。船一台がギリギリ通れるすごい狭さ。まじで入るのですか!?
恐る恐る進むと、パドルが使えないのに気付いた。真上に立ててチョイチョイ漕ぐが、前からの波で押し戻され、何艇もがトンネル内に詰まってパニック状態。

明るい場所に出たときには、思わず安堵のため息が。でもこれ最高に面白れぇ。さらに一つ二つトンネル探検をして、その都度暗闇に絶叫がこだました。遊園地のアトラクションなんかよりずっと楽しい。





(写真提供 : よちお)
鹿児島カヤックスのツアーはこれで何回目だろうか。毎回サプライズがある魅力的なツアーだが、今回もまた未体験ゾーンへ導いていただいた。
それにしても実によく遊んだ。遊びって最高! 死ぬまで遊びを忘れたくないな。そんなことを再認識したのでした。