鳥見ウォーキング(太宰府)


2008年2月16日




最近鳥を探しながら街中や山林を歩き廻ることが楽しい。歩いていると、鳥に限らず実にいろんな発見がある。近場の見知った土地でも、「こんな路地は知らないな。通ってみよう」と、無計画にどんどん歩いてゆくだけで新鮮な気分が味わえる。
そして野鳥は意外といろんな場所にいるもので、わざわざ遠くの郊外に行かなくても結構そこいらの草原や水辺で見られる。しかも今まで小さな鳥をほとんどスズメみたいなやつと一くくりにすることもあったが、実に種類が様々だったとわかって今さらながらに驚いた。手軽に楽しめるということもあって、ちょいちょい今後も散策にでかけたい。

さて梅の開花がニュースなどでちらほら聞こえるようになってきたこともあり、福岡で梅と言えば太宰府かな?という単純な発想で行ってみた。
早朝の太宰府は観光する人もまだおらず、とても静かで凛とした空気の中に厳かさを感じた。ただし時折突風のように吹く北風がものすごく寒い。風から逃げる意味もあって、人けのない太宰府政庁跡を抜け森の中へ入ってみた。




森に入ってみると想像通り多くの鳥の声が聞こえてきたが、声はすれども姿は見えず。そこで腰をすえて観察してみることにした。林に身を隠して息を潜めていると、シロハラがやってきた。暗い木陰の中にちょうど日差しのスポットライトがあたった姿は、少し誇らしげに見えた。

だがさらに予想外なものがやってきた。
それは・・・




林に入る際邪魔な荷物を3メートル程離れた場所に置いていた。荷物がある方向からガサガサとした音がしたので目を向けると、いたのは見知らぬおじさん。どうするのかと見ていたら、なんと私の荷物を持っていこうとするではないか。目の前に持ち主がいるのに全く気づいていない。置き引きなのか、親切に落し物を届けるつもりかわからない。そこで元気よく「こんにちは!」と声をかけてみた。
おじさんのめちゃくちゃ驚いた表情は少し面白かった。「いや、あの、何してるの?鳥? あ、そう。ごめんね」みたいなことを言ってスタコラと荷物を置いて去っていった。結果としてトラブルというほどのことはなかったのだが、何か気分的にこの場所でやりにくくなったので、私も移動することにした。




さすが飛び梅で有名な太宰府だけあって、庭に梅の木を植えている家が多い。庭先から香る梅の花を眺めていると春はすぐそこまで来ている実感がわいてきた。




観世音寺の境内にある梅のつぼみを、メジロがつついていた。ここでまたじっくり写真を撮ることにしよう。しばらくすると年配の男性が声をかけてきた。近くに住んでいてよく散歩にこられるそうで、ここは季節ごとに様々な鳥が見れて面白いとのこと。
その方曰く「私は対馬の出身ですが、療養のために数年前からここ太宰府に移り住んでいます。対馬は渡り鳥の中継地点なので、実にたくさんの鳥が見れますよ」

それを聞いて対馬にはしばらく行ってないこともあり、久しぶりに行ってみたくなった。旅のきっかけを見つけられるのも散策の面白さだ。




歴史名所は今回さらりとスルーしながら、三笠川沿いを歩いてゆく。枯れた葦の草がガサガサと揺れていた。草の間に顔を突っ込んでいたのはマガモの夫婦だった。雄が鮮やかな緑色の顔をもたげた瞬間に写真を撮った。草が薄茶色をしているので緑色がくっきり浮き立っている。




枯れ草の中で目立っていたのはマガモだけではなかった。カメラの液晶画面から目を上げると、ほんのちょっと先にこの空間に似つかわしくないほど眩い青色のカワセミがとまっていた。カワセミは水面をじっと見つめ、ロケットのように水に突撃してまた同じ枝に止まる動作を繰り返した。なかなか餌の魚は捕らえられない様子で何度もトライする。突撃の瞬間を写真撮りたいと狙うが、こちらもタイミングが合わなくて失敗。ついに突撃写真を撮れぬまま、カワセミは場所を変えるべく飛び去ってしまった。




昼になる頃に太宰府駅へ着く。特にここをゴール地点に考えていた訳ではないが、区切りもいいので本日の散策を終了する。せっかくなので観光客に混じって、焼き立てホカホカの梅ヶ枝餅を買った。散策ついでにご当地名物を味わうのも悪くないな。