真夏の愛媛 水辺の旅 後編


2008年7月13日




翌朝も見事なほど良い天気。片付けをしていたら、隊長がキャンプ場の裏山にガードレールらしきものがあるのを発見した。あの場所なら相当見晴らしが良さそう。グネグネとした細い林道を上がってゆくと、突然景色が開けた。思わず「すげ〜」という声がもれる。さっきまでいた池のほとりのキャンプ場の、その先に広がる最高に美しい景色に、しばし暑さを忘れて見とれてしまうのであった。




来た道を下ってゆくと、行きの時に気付かなかった怪しい謎のトンネルを発見。車を停めて歩いて中に入ってみた。湿気のあるひんやりとした風が通り過ぎてゆく。かなり古いトンネルだ。粗く掘られた内部の外壁はでこぼこしていて、はがれ落ちた部分もある。すでに使われていないのだろう。
入口をアーチ形に縁取るレンガ模様などを見ると、産業遺産価値がありそうな造りだ。このまま風化してしまうのはもったいないな。




昨日「ゆらりの湯」の案内端末を操作していて「石垣の里」という場所があることを知った。なんとなく気になって、午前中はまずそこに行ってみることにした。
のどかな海岸線の道を車を走らせる。とてもゆっくりと。
やがて静かな漁村に到着。山肌の斜面に、やけに密着し合う集落がある。一目でその独特な雰囲気が伝わってきた。
近くで見ると石垣はかなり頑丈に、うず高く積まれているのがわかる。石の要塞か。はたまた南米のマチュピチュ遺跡か。遠い国にワープしたかのような不思議な感覚に包まれた。




集落全体が見渡せる漁港一角に座り、途中で買ってきたパンをかじる。よどみのない澄んだ水の中には、宝石箱をひっくり返したように、鮮やかな魚たちが群れていた。

隊長は集落をまた見に行った。私は涼しい潮風にあたりながら、音楽を聴くことにする。そうやってしばらく各自で自由に時間を楽しんだ。やがて戻ってきた隊長の手には一枚の絵葉書が。どうやら水彩画を絵葉書に描いていたらしい。郵便局などない場所なのでちょっと心配していたが、この葉書は旅から帰った翌日に無事に我が家に届いていた。絵も造形もお手の物のマルチアーチストである隊長ならではの、洒落た暑中見舞いだった。




宇和島市の街中を抜けて、四万十川支流の広見川に沿って走る。次の目的地は「道の駅虹の森公園」に併設されている「おさかな館」だ。ちなみに昼をまわり、気温はピークを迎えていた。川は目の前にあるのに、もはや入って遊ぶ気力さえおきない。そんな時に水族館はまるで砂漠のオアシス。もうここから動かなくていい。
しかしこのような地元の生き物を中心とした水族館て、ほんと好きだな。水槽内のレイアウトも自然をモチーフにしっかり作っているので、自分がそこに潜ってる疑似体験ができる。(そう言えば大分の「番匠おさかな館」のI君は元気してるかなー)

ちなみに写真に写ってる魚はアマゾンのピラルクーなどです。こんなの四万十川水系にいたら怖い。




外は相変わらずの暑さだったが、せっかくなので近くの小さな川に入ってみることにした。山手の集落の先にちょっと良さそうな場所を発見。とても泳げるほどの水深はないが、水の透明度はなかなか高いのでせめて顔をつけてみよう。
水中メガネを装着してそろりと足先を水につけると、水の冷たさに一瞬身震い。しかしすぐに慣れて快感に変わった。




顔を水中の岩の隙間に近づけると、何か魚影らしき姿が確認できた。しかし暗くて種類がわからない。そこでデジカメを隙間に入れてフラッシュ撮影してみた。撮った写真を確認してみると、カワムツとタカハヤだった。時に自分の目の代わりになるデジカメ。アウトドアに欠かせない道具だと再認識した。

その後冷えた体を温泉で癒し、ゆっくりと帰路の途につくこととなった。今回の旅では「石垣の里」でのまったりと流れる時間は特に印象に残った。あの雰囲気を味わうためだけにでも、また行ってみたい。